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【分類】 図書館戦争の舞台・エリア別分類

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最適解

SS消そかなと書いた矢先のSSモドキです。熱に浮かされてんがー!とやっちゃいました。
しかも珍しく後に続く記事と二本立て。しごと?しらん!(おい)

時期は亡命成功・暫く後。堂郁です。
半蔵門に纏わるお話、としておきます…一応…。
故に地理的にはへ?って方にはまるでつまらんというか意味不明というか、意味無しというか。
先に申し上げておきます m(_ _)m
*




「最適解って、何だったと思いますか」


郁が見舞いに来るようになってまだそれほど日も経っていない頃。
足を吊られている堂上のベッド脇の椅子に腰かけた郁が長い前置きの後、遠慮がちに言った。
堂上は手にしていたカップをサイドテーブルに置く。
郁が差し入れた”ティーバッグで簡単に淹れられて結構イイ香り”のカモミールティーはまだ温かい。

郁が話しているのは隊には全て報告し終えた、あの当麻事件の亡命逃走経路についての件だった。
オランダ大使館や米国大使館への亡命に失敗した後、二手に分かれて半蔵門へ行って…と、郁は振り返る。だが話が進むにつれ郁の表情が固くなっていく事に堂上は気付いていた。
相槌を入れるだけで黙って聞く内に、尋ねられた。

最適解。どの大使館に向かうべきだったのかという事を意味する。

猪突猛進の郁はいつだって真っ直ぐ前を見て突き進む。
いつまでも起きた事をくよくよ悩んだりはしない。躓いたり派手に転んだり、それで誰かに迷惑かけたと勝手にへこんで涙を流しても、必ずまた立ち上がって走りだす。
堂上にとってはそれが実にあぶなっかしくて、清々しくて、眩しい。
その郁が今回の事件にこだわり振り切れずにいるのは堂上の負傷の事に他ならない。

もし自分だったら―、この怪我をしたのが郁だったら。
撃たれるのを目にした恐怖。止血し切れずに逃亡を強いられる道中。一人残して大阪へ向かう車内。どれほどの思いをしたかと思う。
郁のように口にはしなかったかもしれない。だが『最適解』―怪我を避けられる道は無かったのか、ときっと自問はする。この職務を自ら受け入れ覚悟していてもなお。

「・・・半蔵門駅の地上行きエレベーター」
「え、エレベーターなんてありましたっけ?」
「二つある。片方は地上出口からアイルランド大使館のビルまで50メートルだ」
「ええっ!嘘!?」
「見舞いに来た先輩隊員が言ってた。『何でお前等、アイルランド大使館を真っ先に狙わなかったのか』って」

大使館周辺の地図、それにいざという時に使う可能性のある路線図、最寄駅の構内図は緒形達とともに事前に頭に叩き込んでいた。半蔵門駅は南北に長く伸びる駅だがそれほど出口は多くない。
イギリス大使館に近いのは駅南北の中央にあたる4番出口。アイルランド大使館やその先のポルトガル大使館にも近い。悪天候によって最悪封鎖されている可能性も考えなくは無かったが、あの日開いていた4番出口から表に出た。

「それほど知られてる訳じゃないそうだ。近隣住人やすぐそばのオフィスに勤めるサラリーマンなんかに使われてるらしい。それこそ大使館勤めの職員なんかも使ってる」
「気付きませんでした…」
「出口番号が無いんだ。あの状況で俺達が気付けなかったのは仕方ない」

話によれば駅コンコースと地上を繋ぐエレベーターを出ると、すぐ先にアイルランド大使館が見えるらしい。しかも遮るものは何もない一本道。
あの日、イギリス大使館前に停車していたのは良化隊のバンがひとつと郁は報告した。それも郁がOLか何かだと勘違いしたのだろうとは言え、警戒中に良化隊員が傘を届けに来てしまった。あの時点でその程度の警戒レベルだったと考えるならば、最初からイギリス大使館より遥かに規模の小さい、裏手にあたるアイルランド大使館に真っ直ぐ向かっていれば、あるいは――。

「だったら・・・」
郁の言葉を遮る。
「考えるな。過ぎたことだ」
郁の頭に手を伸ばしてポンポンと叩く。

「『もしも』なんてない。お前は一人で当麻先生を守って、体張って使命をやり遂げた。
当麻先生には傷一つ付けずにだ。俺が教えて来たこと総動員してやり切った。お前が頑張ったから図書隊も、警察も自衛隊までも動いた。世の中は少しずつだが、確実に動き始めてる。お前は無事に帰って来た。俺にとってこれ以上の事はない」
「でも」
「被弾は覚悟の上の代償だ。こうして生きてるし、リハビリさえすれば復帰も問題無い。
次は今回よりもっといい選択が出来るようにすればいい。お前と一緒に考える。一緒に走る。これからもずっと」

堂上の言葉が終わるより前に、固く握り締めた郁の両の手の甲に一粒、二粒と涙が落ちた。


いつかの郁の言葉を思い出す。
―どんな光景も最後まで一緒に見ます。
郁は走り切った。思いを託した堂上のカミツレを胸に、最後まで、一緒に。

「お茶、冷め切る前に泣き止めよ」
郁の頭を肩に引き寄せその頭を撫でながら、堂上は言った。




end.


***

# 注:SSモドキ、しかもただのオマケでーす。
書きたかったのは<革命当日、半蔵門の亡命先として一番良かったのはどこだろう(あくまで結果論)>、それにこんなタイトル付けてでっち上げてみました。突拍子無く無駄に説明的なのはその為ですw 本編(考察:こちら)を併せてご覧下さると「あぁ、何だ大したことじゃないや・・・」と思うと思います。

# 一応SSモドキの蛇足。「カミツレ、香る」の続きです。郁が買って来たティーバッグでお茶してます。時系列が合わない気がするのは気のせいじゃありません残念!気にしない。またカミツレ~は実は三部作でした。もう少し時系列を遡る前の二つは未公開放置中。これ加えたら一応四部作?どうでもいい^^;

# SSって上手い下手もありますが(SSに限らず)登場人物の気持ちの分からん奴とか、何か表現したいとか思ってない奴に書けるもんではないなーと思います。別段表現したい事って無いと描きようがないんだなとあっさり悟った学生の頃、美術のデッサンの時と同じ。そういう人はふと湧いた時に書けるものを書けばいいですよね。
という訳で自分に向いてそうなもの、例えばこんな舞台を歩いて思いついたネタ話とか書いてみるのもいいかなーとか逆に開き直ってみました。舞台探訪に興味ある人にしかへーとも思って貰えないのは前提で(笑)
しかも今回のはまたコアなネタです。立川のカミツレデート現場とかメジャーな場所じゃないし・・・
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| SSモドキ* | 20時15分 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑














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